”アンデス地方原産のヤーコンです!”
霜も降りて季節の変化を感じる今日この頃、阿見町でヤーコンを栽培している湯原農園さんの圃場を訪れました。ヤーコンは南米アンデス地方原産の野菜、お腹の調子を整える栄養素を多く含む実はすご~い野菜なんです!
阿見町でヤーコンを作り始めて何年になりますか?
阿見町役場の土木課にいる頃からかな、最初は遊び程度だったんだよ、そこからだから20年以上やってるよ。
茨城大学でヤーコンの集まりを盛んにやってた頃でね、健康に良いって、特にお腹、お通じに良いから食べてみなって言われたのがきっかけでね。その後、苗をあげるよってことになって、最初は何本もなかったよな。たしかもらったのって1株か2株くらいだったよね。
”おふたりのナイスコンビネーションで大物を掘ります!”
茨城大学の月橋先生って方がいて、彼を中心に阿見のヤーコンを増やしてこうって動きがあってね。それでグループに入って会を作って。みんなでやるようになったんだよね。
今、生徒さん達が掘っている品種はなんですか?
この日は茨城県内の中学生が農業研修で湯原農園さんを訪れていました。
皆さん真剣にヤーコンを掘り起こしていて、なかなかの手つきなのです。掘ったコンテナを見ると大豊作!
中学生の皆さんから茎の部分が大きいとたくさんヤーコンがついてるんだよ!なんてことも教えてもらいました。
皆さんが掘っているのは”アンデスの雪”という品種。
”アンデスの雪”の特徴は他品種より日持ちがする。
”皆さん真剣です!”
”アンデスの乙女!皮が赤い”
向こうに植わってるのは、皮が赤い別の品種”アンデスの乙女”。見た目はさつまいもみたいだね。
料理をする女房は敏感に感じてるみたいだけど、品種によって味の違いもあるみたいよ。
ヤーコンを始めた時はどれくらいの規模でしたか?
本当に小さかった。笑
10株あるかないかくらいだったね。
今は2反歩くらいかな。去年は売れなくて減らしたの1反歩に、そしたら結構需要があってお茶屋さんなんかもっと作ってくれって注文があってまた増やしたんだよ2反歩に。
そしたらね今度は霜が降っちゃって茎も葉も枯れちゃってお茶屋さん持って行けないわけだよ、、、。
長くやっていてもうまくいかないこともたくさんあるんだよね。
”まだまだたくさん収穫せねば!”
栽培するうえでこだわりはありますか?
別にねぇよな~。(笑)
無農薬だよ~!って傍にいらした湯原さんの奥さんよりご指摘をいただきました!
あっ、そうだね、無農薬にはこだわってる。農薬は絶対使わないってことで。
農薬使うとほら、食べて、自分だって嫌だな~と感じる。だから無農薬。
”ヤーコンのこと、色々教えていただいています。”
農薬を使えば形は良くなるよ。虫がつかなくなるから。
農薬を使わないとね、虫がなめちゃうのよこれ。葉っぱなんかもキズになってダメになっちゃって。
でも、それは気にしないで無農薬でやってる。
作付けスケジュールを教えてください。
5月の連休あたりで植えるかな。向こうの畑の山になっているところから掘り出してバラして植えるね。
その後収穫が11月~12月。今年の夏は暑すぎてあまり育たなかったんだよ。
収穫したヤーコンの中でいくつかを種芋用でとっておくんだ。
根っこ全部そのまま穴の中にいれる。霜にやられたらダメだから、収穫と同時に穴に持っていき土をかけておく。
湿度を保ちながら保存するのが大切だね、冬を超えて植える頃には大きさが倍になるよ。
ヤーコンの栽培で大変なことはなんですか?
草取りだね~。これみんな草だよこの辺。今年は女房が頑張ってやってくれたからこの程度で済んだけど。
今年は俺が入院しちゃったから余計だね、草取りを女房1人でやってくれた。いつもはこんなに草残ってないんだよ。ヤーコンの茎や葉が大きくなれば草もでてこないんだけどね。今年は日照りでヤーコンが育たなくて草が育っちゃったね。
”霜が降りて茎や葉は枯れる、だけど花は咲く!”
収穫のこと、ヤーコン茶のこと。
葉っぱがなくなればかな。霜が降りるともう育たないから。
お茶屋さんが葉っぱや茎を持っていくのも今頃。そしたらもう掘りどきだね。
収穫する際のコツとか注意点は特にないよ、ただ植えっぱなしだからね!と笑いながら教えてくれました。
お茶屋さんのお話も出てきましたね、飲んだことないヤーコン茶なのでいろいろと伺ってみました。
”ヤーコン茶!キャラクターも可愛い!”
ヤーコン茶は葉っぱや茎から採るんだよね、葉っぱと茎と両方を乾燥して砕いてお茶にするんだ。
ちなみにうちのヤーコン茶は、愛菜園(阿見町の直売所)に出してるよ。
ヤーコン茶の味はそんなに癖がないね。
色はまぁ、ウーロン茶よりはきれいな色をしているよ。
ヤーコン茶はお腹に良いと言うんだよね。
ヤーコン自体がもちろんお腹に良い。具合悪くて便秘の薬飲んでたけどもヤーコン食べたら良くなったって薬止めた人もいる。私たちの親がそうだったね。
親は便秘でサツマイモを食べてたんだけど、胸やけがするんだって。
このヤーコンは胸やけしないってよく食べてたよね。干して。切り干しみたいにしたりしていたね。
ヤーコンはどんな料理に使ってますか?
”色々美味しいヤーコンです。”
カレーにも入れるし、けんちん汁にも、何でも入れるのよ。カレーに入れると煮崩れしないからごろっと残って美味しいんだ。
話に聞いてやったことはないんだけど、これを一回冷凍して煮ると柔らかくなるんだって。そうすると味もよくしみる。おでんとかにしても美味しいって。
サラダにしてもとても美味しいよ!千切りにしてドレッシングかけて、シャキシャキとした食感が良い。
本当に食感は梨と一緒。あんまり甘くない梨を食べているような感じだね。
ヤーコンはお菓子にも使えるんだって。
トレビアン(阿見町のケーキ屋さん)なんかでも使ってるんだよ。この前ヤーコンを納めてきたところだね。毎年お菓子作りに使ってくれてるよ。
トレビアンさんではヤーコンブッセやヤーコンマドレーヌが買えるらしいです。ヤーコンの甘みを活かしたお腹にも優しいお菓子、気になりますね~!
”里芋も豊作です!”
この日、農業体験の中学生は人参や里芋なんかも収穫していました。
昔は小さい芋なんかは皮ごと蒸したり茹でたりして食べた、つまむと皮からぷくって出てきてね、この辺りでは”はじき芋”って呼んでいたよ。
はじき芋には好みで塩や醤油をつけておやつがわりに食べていたそう、はじき芋という響きに懐かしさを感じている方々もいらっしゃるかもですね。
”中学生と楽しそうに話す湯原さんご夫妻。”
畑での収穫が終わった後は取材チームも中学生とともに湯原さんのご自宅へと移動し、ヤーコン以外にも湯原さんが育てる常陸秋蕎麦のこと、蕎麦の実の選別のこと、さまざまなお話を伺い、実際に見て学ぶことができました!
そんな中、中学生の皆さんが今日のお礼にと、歌をお庭で披露したりして、とても和やかなひととき。
湯原さんご夫妻も皆さんもとても楽しそう!
そうそう、湯原さんのヤーコンやお野菜は阿見町の直売所、愛菜園でも購入していただけるとのことですよ。
おふたりが育てるヤーコン、お腹に優しくって、さまざまな料理に合うし、そしてお茶にもなる。実はとってもすごいんです!
”蕎麦の実をみんなで観察しました!”
”湯原さん、いろいろとありがとうございました!”
<湯原さんのヤーコンが買える場所>
JA水郷つくば 農産物直売所 愛菜園
茨城県稲敷郡阿見町若栗1901-1
電話:029-887-8395
文章・写真・編集/ Masa Hamanoi
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